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中堅・ベテランの伸び悩みを破る1軸の決め方 仕事の力のLv4・Lv5を言葉にする
中堅・ベテランの伸び悩みを破る1軸の決め方 仕事の力のLv4・Lv5を言葉にする
新人の頃のような駄目出しは、もう来ません。仕事は回っていて、評価も悪くありません。それなのに、去年の自分と何が違うのかと聞かれると、答えに詰まります。中堅・ベテランの伸び悩みは、力の不足ではなく、指摘が来なくなった環境で次の一手を自分で決められないことから来ています。
この記事は、仕事の基本動作を6軸×5段階の物差しにした基礎編の続きです。基礎編が扱ったのは、全軸をLv3に揃えるまでです。ここで扱うのはその先、Lv3で止まった軸をLv4・Lv5へ動かす方法です。
物差しは基礎編と同じものを使うので、初めて読む場合や、Lv1・Lv2の軸がまだ残っている場合は、先に基礎編から始めてください。
この記事は、仕事の基本動作を6軸×5段階の物差しにした基礎編の続きです。基礎編が扱ったのは、全軸をLv3に揃えるまでです。ここで扱うのはその先、Lv3で止まった軸をLv4・Lv5へ動かす方法です。
物差しは基礎編と同じものを使うので、初めて読む場合や、Lv1・Lv2の軸がまだ残っている場合は、先に基礎編から始めてください。
目次
中堅は全軸Lv3で、なぜ止まるのか
Lv3は、周りが安心して仕事を渡せる状態です。完成形を確かめてから始める。悪い知らせほど先に伝える。詰まる前に聞きに行く。ここまで来ると、日々の仕事は問題なく回ります。
そして同時に、周りからの指摘が来なくなります。あなたの仕事で周りが困っていなければ、わざわざ指摘する理由がないからです。誰が悪いわけでもなく、外からのフィードバックが消えます。Lv3までは、足りないものを指摘という形で周りが教えてくれました。ここから先は、何が足りないのかを誰も教えてくれません。
中堅の停滞は、怠けの結果とは限りません。仕事は回っているので、動く理由がありません。教えてくれる人もいないので、動く方向も分かりません。動く理由と方向が、見えていない状態です。
ただし、その状態はいつまでも続きません。転機は、ある日突然やって来ます。後輩がついた日、案件を任された日、専門分野の相談が集まり始めた日。どれも、Lv3の動きだけでは足りなくなる日です。そのときはじめて、Lv3とLv4の差が見えます。差が見えてから慌てるのではなく、見える前に動く。この記事の物差しは、そのためにあります。
そして同時に、周りからの指摘が来なくなります。あなたの仕事で周りが困っていなければ、わざわざ指摘する理由がないからです。誰が悪いわけでもなく、外からのフィードバックが消えます。Lv3までは、足りないものを指摘という形で周りが教えてくれました。ここから先は、何が足りないのかを誰も教えてくれません。
中堅の停滞は、怠けの結果とは限りません。仕事は回っているので、動く理由がありません。教えてくれる人もいないので、動く方向も分かりません。動く理由と方向が、見えていない状態です。
ただし、その状態はいつまでも続きません。転機は、ある日突然やって来ます。後輩がついた日、案件を任された日、専門分野の相談が集まり始めた日。どれも、Lv3の動きだけでは足りなくなる日です。そのときはじめて、Lv3とLv4の差が見えます。差が見えてから慌てるのではなく、見える前に動く。この記事の物差しは、そのためにあります。
物差しは同じ 見るのはLv3から上
軸も段階も、基礎編と同じです。変わるのは見る範囲だけで、この記事はLv3から上だけを扱います。Lv1・Lv2の記述と測り方の基本は、基礎編を参照してください。
| 軸 | Lv3 | Lv4 | Lv5 |
|---|---|---|---|
| 指示の受け方 | 完成形を確かめて始める | 言われていない部分を提案 | 型をチームに広げる |
| 報連相 | 悪い知らせほど先に | 先回りして共有できる | 集まる仕組みを作る |
| 質問・頼り方 | 考えを添えて聞ける | 頼り先が分かっている | 聞きやすい空気を作る |
| 仕上げ・確認 | 型で確かめられる | 確認しやすい形で出せる | 基準を作り揃える |
| 段取り・納期 | 見積もって早めに相談 | 並行して判断できる | チームの段取りを組む |
| ふりかえり | 同じ指摘を2回受けない | クセを自分で見つける | 型を定着させる |
測るときの注意を、3つ足します。
- 「やろうと思えばできる」は数えない
- 中堅の自己判定は、新人のときより甘くなりがちです。経験を積んだ分、「やろうと思えばできる」ことが増えていて、それを「できる」に数えてしまうからです。判定に使ってよいのは、直近1年で実際にやったことだけです
- 年次や役職は、段階と関係ない
- 10年目でふりかえりがLv2、というのは珍しくありませんし、恥ずかしいことでもありません。いまから測って、足りない段階を埋めていけばよいだけです
- 任せても、段階は上がらない
- 作業をAIや後輩に出せるようになると、自分の手を動かさなくても仕事は回ります。ただし、それで増えるのはこなせる量です。渡しているのが作業だけなら、段階は動きません。型ごと渡して、自分がいなくても回るようにできたとき、はじめてLv5と数えます
Lv4の証拠は、相手の手間の減り方に出る
基礎編では、Lv4を「相手の側から、仕事が見える」と1行ずつで書きました。ここでは行動に割ります。6軸に共通するのは、自分の作業のうまさではなく、相手の時間と判断が軽くなる方向に動作が向くことです。
- 指示の受け方
- 依頼の背景まで確かめ、言われていない選択肢や、やらずに済ませる方法まで提案できる。「頼まれたとおり作ったのに使われない」が起きなくなる
- 報連相
- 相手が判断するタイミングから逆算して、聞かれる前に届けられる。「あれどうなった?」と聞かれた時点で、まだLv3
- 質問・頼り方
- 自分で調べるか人に聞くかの仕分けが速く、誰に聞くと速いかの地図を持っている。頼ることに迷いがない
- 仕上げ・確認
- 要点・確認してほしい箇所・判断してほしい点を添えて出せる。受け取った相手のチェックが半分の時間で終わる
- 段取り・納期
- 複数の案件を並行させ、優先順位の入れ替えを自分から提案できる。「どれから先にやりますか」と聞いている間は、まだLv3
- ふりかえり
- 指摘される前に自分のクセを見つけ、先に手を打てる。チェックリストが、他人の指摘ではなく自分の発見で増えていく
気をつけたいのは、Lv4の証拠が自分の側にはないことです。気を配ったか、工夫したかは、判定に使えません。証拠は相手の行動の変化に出ます。差し戻しが減った。確認の往復が減った。「あれどうなった?」と聞かれなくなった。自分の努力ではなく、相手の手間の減り方で判定してください。
Lv5は役職ではない
Lv5は「型を、チームに広げる」でした。前の章のような軸ごとの分解は、ここではしません。Lv5の姿は表の1行ずつで足り、越える壁が6軸で共通だからです。役職が要ると思われがちですが、Lv5と管理職は別物です。仕上げの基準書を書く。聞きやすい空気を作る。ふりかえりの型を後輩に定着させる。どれも、肩書なしで今日から始められます。
Lv4とLv5の間には、はっきりした壁が1つあります。自分ができることと、人ができるようになることの違いです。壁を越えるには、自分の型を言葉にする必要があります。ただ、感覚でやってきた部分ほど、言葉にするのは難しいものです。その難しさに向き合うことが、Lv5への第一歩になります。
Lv5かどうかの判定は、1つで足ります。自分がいなくても、仕事が回るかどうかです。「それ、本人に聞かないと」が出た時点で、まだLv4です。自分が1週間休んだだけでチームの品質が下がるのも、同じ印です。優秀さがチームに広がらず、自分の中にとどまっているからです。
この先、役職として管理職に進む場合は、測る物差し自体が変わります。任せ方・判断・育成といった管理職の仕事は管理職編で扱っているので、そちらの物差しを使ってください。
Lv4とLv5の間には、はっきりした壁が1つあります。自分ができることと、人ができるようになることの違いです。壁を越えるには、自分の型を言葉にする必要があります。ただ、感覚でやってきた部分ほど、言葉にするのは難しいものです。その難しさに向き合うことが、Lv5への第一歩になります。
Lv5かどうかの判定は、1つで足ります。自分がいなくても、仕事が回るかどうかです。「それ、本人に聞かないと」が出た時点で、まだLv4です。自分が1週間休んだだけでチームの品質が下がるのも、同じ印です。優秀さがチームに広がらず、自分の中にとどまっているからです。
この先、役職として管理職に進む場合は、測る物差し自体が変わります。任せ方・判断・育成といった管理職の仕事は管理職編で扱っているので、そちらの物差しを使ってください。
次の1軸は、役割の変化から逆算する
基礎編には、どの軸から伸ばすかという順番がありました。中堅の場合は、決まった順番の代わりに、次の役割から逆算して決めます。次の役割では、どの軸を使う場面が増えるのか。それを考えて、先に必要になる軸を選びます。先に上げるのは、どれもLv4の動作です。聞きやすい空気を作る、型を定着させる、基準を揃えるといったLv5の動作は、その先です。まだLv3の軸を、いきなりLv5にはしません。役割が変わるよくある転機は、次の3つです。
- 後輩がつく
- ふりかえりと質問・頼り方から。指摘される前に自分のクセを見つけられることと、誰に聞くと速いかの地図を持っていること。クセが見えていないと教えられませんし、頼る地図が無いと、後輩の質問を自分ひとりで抱え込みます
- 案件を任される
- 指示の受け方と段取り・納期から。言われていない部分まで提案できることと、優先順位の入れ替えを自分から提案できること。曖昧な依頼を要件に変える動作と、並行する作業の判断が、そのまま案件運営になります
- 専門を深める
- 仕上げ・確認と報連相から。確認しやすい形で出せることと、聞かれる前に共有できること。頼られる先になるには、受け取った側の手間が減っている必要があります
どの転機にも軸を2つ挙げましたが、選ぶのは1つです。片方だけLv3で残っているなら、低いほうが先です。2つとも同じ段階なら、先に書いたほうから上げてください。
転機が2つ重なったときも、選ぶ軸は1つのままです。先に始まるほうの転機から逆算してください。逆算した軸がすでにLv4なら、同じ軸をLv5に上げるか、もう一方の転機の軸をLv4にするか、どちらか一方です。
3つのどれにも当てはまらず、役割の変化がまだ見えない場合は、無理に逆算する必要はありません。次の章で紹介する、フィードバックを自作する動きのなかから、次の1軸を決めてください。
転機が2つ重なったときも、選ぶ軸は1つのままです。先に始まるほうの転機から逆算してください。逆算した軸がすでにLv4なら、同じ軸をLv5に上げるか、もう一方の転機の軸をLv4にするか、どちらか一方です。
3つのどれにも当てはまらず、役割の変化がまだ見えない場合は、無理に逆算する必要はありません。次の章で紹介する、フィードバックを自作する動きのなかから、次の1軸を決めてください。
補足
目指すのは全軸Lv4ではありません。役割に使う軸が2つ3つLv4にあり、残りをLv3で維持できていれば、中堅として十分に強い状態です。
選んだら、上げるのは1段階だけにします。判定の根拠を具体的な場面で言葉にして、上がったと言える条件を先に決めておきます。ここは基礎編と同じです。中堅の場合は、条件に相手や後輩の変化を入れると、判定がぶれません。すでにLv4の軸をLv5へ進めるときも、条件の決め方は同じです。
中堅本人
ふりかえりはLv4にしました。先月、指摘される前に「数字の桁の書き方にクセがある」と自分で気づいて、提出前チェックに足したからです。来月から後輩が2人つくので、次はこの軸をLv5にします。
上司
その選び方でいいと思います。条件も決めましょう。半年後、あなたが確認しなくても2人がふりかえりのメモを自分で回していて、同じ指摘が2回出ていなければLv5、にしましょう。
指摘が来ないなら、フィードバックを自作する
最初の章に戻ります。中堅の停滞の正体は、指摘が来なくなることでした。ですから、対策は1つです。指摘の代わりを、自分で用意します。やり方は3つあります。
- 教える側に回る
- いちばん速いのがこれです。教えるには型の言語化が必要で、言葉に詰まった箇所がそのまま自分の穴です。後輩の「なぜそうするんですか」に答えられなかったら、そこが次に言葉にする場所です。しかも教えることはLv5の「広げる」の実践そのものです
- 外に出す
- 社内で通っている型が、外でも通るかを試します。他部署との仕事を引き受ける。社外の勉強会で話す。職務経歴書を6軸で書き直してみる。転職を考え始めたときに問われるのも、この「外でも通るか」です。社内の評価は相対的なもので、外に出ないかぎり停滞が見えません
- 後輩に物差しを当てる
- 後輩の仕事ぶりを6軸で見立てて、基礎編を渡し、本人の自己判定と突き合わせてみてください。ズレた軸が、最初に教えるべき場所です。人を測ってみると、自分の理解の粗さも見えてきます
まとめ
駄目出しが来なくなったのは、見放されたからではなく、Lv3に届いた証拠です。ただし、ここから先の伸ばし方は、誰も設計してくれません。次の4つを確認してください。
- Lv1・Lv2で止まっている軸が残っていないか(残っていれば基礎編から)
- 判定を「やろうと思えばできる」ではなく、直近1年でやったことでしているか
- 次に上げる軸を、次の役割から逆算して1つに絞れているか
- 指摘の代わりになる仕組みを、自分で用意しているか
中堅・ベテランにとって、Lv3の先は放っておけば10年止まれる区間です。そして、動きさえすれば、肩書がなくても抜け出せる区間でもあります。次の役割が来る前に、1軸だけ動かし始めてください。
この記事は参考になりましたか?
ご回答ありがとうございました