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Webマーケターの力を6軸×5段階で言葉にする 次に伸ばす1軸の決め方
Webマーケターの力を6軸×5段階で言葉にする 次に伸ばす1軸の決め方
「もっと成果を出して」「もっと数字を見て」と言われても、次に何をすればいいのかは分かりません。マーケターの伸び悩みは、たいてい知識の量ではなく、どの力がどう足りないのかを言葉にできていないことから来ています。
ここでは、Webマーケターの力を6つの軸に分け、それぞれを5つの段階として整理します。自分がいまどのあたりにいて、次に何を上げればいいのかを決めるための物差しです。
後半では、目指す地点の決め方から伸ばす順番、次に上げる軸の絞り方まで、この物差しの使い方も扱います。
想定しているのは支援会社のマーケターですが、インハウスでも軸は同じです。SEOや広告運用など担当していないチャネルの軸は飛ばして、担当になった日に戻ってきてください。SNSやメール、CRMなど別のチャネルの担当者は、SEO・広告運用の2軸を自分のチャネルに読み替えてください。
ここでは、Webマーケターの力を6つの軸に分け、それぞれを5つの段階として整理します。自分がいまどのあたりにいて、次に何を上げればいいのかを決めるための物差しです。
後半では、目指す地点の決め方から伸ばす順番、次に上げる軸の絞り方まで、この物差しの使い方も扱います。
想定しているのは支援会社のマーケターですが、インハウスでも軸は同じです。SEOや広告運用など担当していないチャネルの軸は飛ばして、担当になった日に戻ってきてください。SNSやメール、CRMなど別のチャネルの担当者は、SEO・広告運用の2軸を自分のチャネルに読み替えてください。
Webマーケターの力は6つに分けられる
「マーケティングができる」と一口に言っても、その中身は同じではありません。レポートは緻密なのに施策が思いつきの人もいれば、広告の運用はうまいのに報告が数字の羅列になる人もいます。ひとまとめにしている限り、次の一手は決まりません。
- 現状分析
- データから、いま何が起きているかを読めるか
- 施策立案
- 課題から、打ち手を組み立てられるか
- 検証・改善
- 施策の結果を、次の一手につなげられるか
- 報告・提案
- 数字を、相手が動ける言葉に翻訳できるか
- SEO
- 検索から、狙って流入を作れるか
- 広告運用
- 預かった予算を、成果に変えられるか
この6つを、それぞれ5段階に分けます。段階が言葉になっていると、「なんとなく足りない」が「この軸のこの段階にいる」に変わります。
全体はこの一枚に収まります。軸ごとに横へ読んで、いちばん近いマスに印を付けてください。6つの印を縦に見比べると、自分の凸凹が見えてきます。
全体はこの一枚に収まります。軸ごとに横へ読んで、いちばん近いマスに印を付けてください。6つの印を縦に見比べると、自分の凸凹が見えてきます。
| 軸 | Lv1 | Lv2 | Lv3 | Lv4 | Lv5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現状分析 | PVを眺めるだけ | 理由を説明できない | 課題を数字で特定できる | 仮説で深掘りできる | 計測設計から作れる |
| 施策立案 | 思いつきで選ぶ | 課題と結び付かない | 課題から逆算できる | 優先順位を付けられる | 戦略として体系化できる |
| 検証・改善 | やりっぱなし | 成否を言えない | 基準を決めて検証できる | 比較で偶然を排せる | 改善が回る仕組みを作る |
| 報告・提案 | 数字を並べるだけ | 次の一手を言えない | 打ち手まで報告できる | 事業目標から提案できる | 経営層と対話できる |
| SEO | キーワードを詰め込むだけ | ツールの指摘に対応するだけ | 検索意図から設計できる | サイト全体で戦略を組める | 集客構造に位置づけられる |
| 広告運用 | 出しっぱなし | 判断は人に頼る | 予算内で成果を出せる | 媒体をまたいで配分できる | 投資全体を設計できる |
Webマーケターの現在地を5つの段階で測る
Lv2以降の冒頭には、前の段階から何が変わるのかを一文で置いてあります。まずそこで自分の当たりをつけ、6つの軸ごとの記述で、いちばん近い段階を確かめてください。記述はどれも典型例なので、ぴったり一致していなくて構いません。Lv1は脱しているが、Lv3には届いていない。その場合は、間のLv2です。
読むときのコツが1つあります。自分がよく見えるほうを選ばないことです。「やろうと思えばできる」ではなく、直近の案件で実際にできたほうを取ってください。ここを甘く見ると、あとの判断がすべてずれます。マーケターの場合、数字が良くなった施策でも、季節要因や広告費の増減で動いただけなら「できた」の根拠にはなりません。
AIを使ったかどうかは、判定には関係ありません。AIにレポートの要約や施策案を出させても、その中身をデータに照らして確かめ、外れた案を自分で棄却できたなら「できた」に入ります。それっぽいからそのまま採用しただけなら、それは思いつきの出どころが自分からAIに変わっただけで、Lv1の思いつき施策と同じです。
読むときのコツが1つあります。自分がよく見えるほうを選ばないことです。「やろうと思えばできる」ではなく、直近の案件で実際にできたほうを取ってください。ここを甘く見ると、あとの判断がすべてずれます。マーケターの場合、数字が良くなった施策でも、季節要因や広告費の増減で動いただけなら「できた」の根拠にはなりません。
AIを使ったかどうかは、判定には関係ありません。AIにレポートの要約や施策案を出させても、その中身をデータに照らして確かめ、外れた案を自分で棄却できたなら「できた」に入ります。それっぽいからそのまま採用しただけなら、それは思いつきの出どころが自分からAIに変わっただけで、Lv1の思いつき施策と同じです。
Lv1 やりっぱなしで、数字が素通りする
施策も数字も、まだ点のままつながっていません。
- 現状分析
- 定例で話すのはPVが増えたか減ったかだけで、増えた理由も減った理由も分からない
- 施策立案
- 施策は「他社がやっていたから」「最近よく聞くから」で決まる
- 検証・改善
- 施策の結果は、聞かれたときに初めて数字を見に行く
- 報告・提案
- 報告は、管理画面のスクリーンショットを読み上げて終わる
- SEO
- 本文に同じキーワードが不自然な密度で並んでいて、順位は誰も測っていない
- 広告運用
- 出稿の設定をした日が、管理画面を最後に開いた日になっている
Lv2 作業はできるが、理由を言えない
Lv1との違いは、レポートや運用といった作業を最後までこなせることです。ただし、なぜそうするのか、数字がなぜ動いたのかはまだ言えません。
- 現状分析
- GA4などのアクセス解析ツールからレポートは出せるが、数字が動いた理由を説明できない
- 施策立案
- 定番の施策は挙げられるが、どの課題に効くのかを結び付けられない
- 検証・改善
- 結果は見るが、成功か失敗かを言えない。判断の基準を先に決めていない
- 報告・提案
- 数字の説明はできるが、「で、どうすれば?」に答えられない
- SEO
- ツールが指摘した項目には対応できるが、なぜそれをやるのかは説明できない
- 広告運用
- 管理画面の操作はできるが、改善の判断は人に頼っている
Lv3 課題から打ち手まで、自分でつなげられる
Lv2との違いは、分析・施策・検証・報告が一本の線でつながることです。数字で課題を見つけ、打ち手を選び、結果を次につなげられます。
- 現状分析
- 目的から見るべき指標を決め、課題がどこにあるかを数字で特定できる
- 施策立案
- 分析で特定した課題から逆算して、打ち手を組み立てられる
- 検証・改善
- 施策ごとに成否の基準を先に決め、結果を次の一手につなげられる
- 報告・提案
- 結果の理由と次の打ち手をセットにして、相手が判断できる報告ができる
- SEO
- 検索意図からキーワードを選定し、コンテンツを設計できる
- 広告運用
- 予算と目標を守りながら、自分で調整して成果を出せる
ここが、任せられる状態のひとつの区切りです。
Lv4 仮説と比較で、精度を上げられる
Lv3との違いは、判断に仮説と比較が入ることです。1つの打ち手を回すのではなく、複数の選択肢を検証しながら選べます。
- 現状分析
- 仮説を立ててセグメントを切り、数字が動いた理由まで深掘りできる
- 施策立案
- 複数の打ち手を効果とコストで比較し、優先順位を付けられる
- 検証・改善
- ABテストなどの検証を設計し、偶然と実力を切り分けられる
- 報告・提案
- 相手の事業目標に沿って提案を組み立て、追加の施策につなげられる
- SEO
- サイト構造や内部リンクまで含めて、サイト全体の検索戦略を組める
- 広告運用
- 媒体をまたいで予算配分を判断し、クリエイティブの改善まで指示できる
Lv5 成果が出る仕組みを、設計する
Lv4との違いは、対象が自分の施策からチームと事業に変わることです。自分が回すことより、成果が出続ける仕組みを作ることが仕事になります。
- 現状分析
- 計測設計そのものを作り、チームが見るべき指標を定義できる
- 施策立案
- 年間の戦略として施策を体系化し、リソース配分まで設計できる
- 検証・改善
- 検証の仕組みをチームに定着させ、改善が回り続ける状態を作れる
- 報告・提案
- 経営層と数字で対話し、パートナーとして頼られる
- SEO
- 検索流入を事業の集客構造の中に位置づけ、投資の優先度を判断できる
- 広告運用
- 広告に頼るべき局面とそうでない局面を見極め、投資全体を設計できる
目指すのは全軸Lv5ではない
5段階と聞くと、全部をLv5にするのがゴールに見えます。そうではありません。
Lv5は「その職種のトップ」の姿であって、全員が目指す地点ではありません。多くの実務は、各軸がLv3であれば問題なく回ります。
Lv5は「その職種のトップ」の姿であって、全員が目指す地点ではありません。多くの実務は、各軸がLv3であれば問題なく回ります。
補足
当面のゴールは、担当している軸すべてがLv3です。突出した軸を作るより、Lv1やLv2で止まっている軸を無くすほうが、実務では効きます。
全軸がLv3に揃ったあとのLv4は、全員が順に目指す段階ではなく、役割で選ぶ段階です。特定のチャネルの専門家として立つ、提案から入るコンサル側に回るなど、立場が変わるタイミングで、その仕事に使う軸から上げていきます。
もうひとつ、ゴールの置き方で注意があります。平均点を上げることをゴールにしないでください。6軸の平均が3.2から3.4になったところで、現場で何ができるようになったのかは説明できません。上がったのはどの軸か、そこで何ができるようになったのかだけが意味を持ちます。
伸ばす順番を飛ばさない
6つの軸は横並びではありません。土台になる軸が低いまま上の軸を鍛えても、どこかで頭打ちになります。
Webマーケターの場合はこの順番です。それぞれ、まずLv3まで上げることを目安にしてください。
Webマーケターの場合はこの順番です。それぞれ、まずLv3まで上げることを目安にしてください。
-
現状分析目的から見るべき指標を決めて、課題を数字で特定できるところまで。
-
検証・改善成否の基準を先に決めて、結果を次の一手につなげられるところまで。
-
施策立案特定した課題から逆算して、打ち手を組み立てられるところまで。
-
報告・提案結果の理由と次の打ち手をセットで、相手が判断できる報告ができるところまで。
-
SEO検索意図からキーワードを選定して、コンテンツを設計できるところまで。
-
広告運用予算と目標を守りながら、自分で調整して成果を出せるところまで。
検証・改善が2番目にあるのは意外に見えるかもしれません。施策を立てる前に検証を鍛えるのかと。しかし、成否の基準を先に決める習慣は、施策を選ぶ力より先に身につけられて、以後のすべての施策を学びに変えてくれます。ここが無いままだと、何年やっても増えるのは「やった施策の数」だけです。現状分析が最初なのは、課題を数字で特定できない限り、施策立案が思いつきに戻ってしまうからです。
SEOと広告運用が後半なのは、チャネルの手技を軽く見ているのではありません。分析と検証の型が無いままチャネルの手技だけ覚えると、「ツールの指摘に対応するだけ」「出しっぱなし」で止まります。型があれば、どのチャネルでも同じ回し方で伸ばせます。広告運用が最後なのは、クライアントの予算を直接預かる軸だからです。検証の型が無いまま触ると、出るのは学びではなく損失です。
SEOと広告運用が後半なのは、チャネルの手技を軽く見ているのではありません。分析と検証の型が無いままチャネルの手技だけ覚えると、「ツールの指摘に対応するだけ」「出しっぱなし」で止まります。型があれば、どのチャネルでも同じ回し方で伸ばせます。広告運用が最後なのは、クライアントの予算を直接預かる軸だからです。検証の型が無いまま触ると、出るのは学びではなく損失です。
1軸だけ選び、1段階だけ上げる
現在地が分かったら、次に伸ばす軸を1つだけ選びます。選ぶのは、前の章の順番で最初にLv3に届いていない軸です。一度に全部は上がりません。6軸を同時に意識した瞬間、どれも動かなくなります。
選んだら、上げるのは1段階だけです。Lv2の軸をLv4にしようとせず、Lv3にすることだけを考えます。
上げ方は、難しく考えなくて構いません。次の段階の記述が、そのまま次の仕事で試す行動です。検証・改善をLv2からLv3にするなら、次の施策を出す前に、成否の基準と測り方を先に書いておく。その繰り返しです。
選んだら、上げるのは1段階だけです。Lv2の軸をLv4にしようとせず、Lv3にすることだけを考えます。
上げ方は、難しく考えなくて構いません。次の段階の記述が、そのまま次の仕事で試す行動です。検証・改善をLv2からLv3にするなら、次の施策を出す前に、成否の基準と測り方を先に書いておく。その繰り返しです。
このとき、「なんとなくLv2」で済ませないでください。どの案件のどの場面でそう判断したのかを、具体的に言葉にします。根拠が書けない判定は、次に何をすればいいかを教えてくれません。
あわせて、その段階に上がったと言える条件も先に決めておきます。決めていないと、上がったかどうかを気分で判断することになります。
あわせて、その段階に上がったと言える条件も先に決めておきます。決めていないと、上がったかどうかを気分で判断することになります。
言葉にすると、たとえばこのくらいの具体さです。
マーケター本人
現状分析はLv3にしました。先月のECサイトの定例で、売上減の原因が新規流入の減少ではなくカート離脱率の悪化だと、数字で特定できたからです。
先輩マーケター
その判定でいいと思います。次は検証・改善ですね。同じ案件で、クーポン施策のあとに成功と言える基準を決めていなくて、評価が感覚になっていたので、いまはLv2。施策を出す前に成否の基準と測り方をセットで書けるようになったらLv3、と決めましょう。
見直しは1〜2ヶ月ごとで十分です。同じ軸が2回続けて動いていなかったら、やり方を変えるか、そもそもその軸を選んだ前提を疑ってください。
できれば、同じ6軸で他の人にも見てもらってください。自己判断と食い違った軸が、最初に話すべき論点になります。
できれば、同じ6軸で他の人にも見てもらってください。自己判断と食い違った軸が、最初に話すべき論点になります。
まとめ
「もっと頑張る」を「この軸をこの段階まで上げる」に置き換えるのが、この物差しの使い道です。次の4つだけ確認してください。
- 6つの軸それぞれについて、いまの段階を言葉にできているか
- その判定に、具体的な案件や場面の裏づけがあるか
- 次に上げる軸を1つだけに絞れているか
- 上がったと言える条件を、先に決めてあるか
全軸Lv5である必要はありません。Lv1やLv2で止まっている軸を1つずつ埋めていけば、実務で困ることはほとんどなくなります。
この物差しが測るのは、職種の専門スキルです。その土台になる、職種を問わない仕事の基本動作は仕事の基礎編で同じ形の物差しにしています。専門の軸が伸び悩むときは、土台の側も測ってみてください。
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ご回答ありがとうございました