記事一覧 お客様はどこから来ている?流入チャネルとSearch Consoleの見方

お客様はどこから来ている?流入チャネルとSearch Consoleの見方

お客様はどこから来ている?流入チャネルとSearch Consoleの見方
今月はアクセスが減った。なぜだろう——。全体の数字だけを眺めていても、なかなか答えは出てきません。手がかりになるのは、アクセスの内訳です。どの入口が減ったのかを確かめると、理由が見えてきます。

この記事は、アクセス解析の連載の集客編です。訪問者が「どこから来たか」を表す流入チャネルの見方と、Google Search Consoleで見る検索結果での見え方を紹介します。前回の基礎編と同じく、例を見ながら、「減った理由」を実際に切り分けてみます。

流入チャネルとは(お客様の入口の種類)

流入チャネルとは、訪問者がサイトに入ってきた経路の分類です。GA4では自動でいくつかの種類に振り分けられます。主なものは次のとおりです。
オーガニック検索
GoogleやYahoo!の検索結果から、広告ではない自然な枠をクリックして来た訪問
有料検索(リスティング)
検索結果の広告枠から来た訪問。出稿している検索連動型広告経由
オーガニックSNS(画面では「オーガニック ソーシャル」)
InstagramやX、LINEなどの投稿/プロフィールのリンクから来た訪問
ディスプレイ広告(画面では「ディスプレイ」)
他サイトやアプリに表示されるバナー広告などから来た訪問
ダイレクト(画面では「直接」)
URLの直接入力/ブックマークなど、経由元が特定できない訪問。目印の付いていないLINEやメールのリンクからの訪問も、ここに入る
参照(リファラル)
他社サイトに貼られたリンクをたどって来た訪問
AI アシスタント
ChatGPTやGeminiなど、AIの回答に載ったリンクから来た訪問。GA4が自動で分けている。Googleの「AI による概要」/「AI モード」からの訪問は、ここには入らない
メール
メルマガのリンクに、メールであることを示す目印(utm)を付けて来た訪問。目印の付け方は、この記事の後半で紹介する
この分類を知っておくと、「集客がどの入口に偏っているか」「どの入口が落ちたか」が見えるようになります。ひとつの入口に頼っていると、そこからの訪問が減ったときに、サイト全体の訪問も大きく減ってしまいます。入口がいくつかに分かれていれば、1つが減っても全体への影響は小さく済みます。

「なぜ減った」は内訳で切り分ける

では、実際に「アクセスが減った月」を切り分けてみます。下の表は、あるネットショップの流入チャネル別セッションの前月比です。当月は、全体では前月比 -5.5% でした。
チャネル 前月比
オーガニック検索 +4%
有料検索 +7%
参照(リファラル) -6%
ディスプレイ広告 -10%
AI アシスタント +5%
ダイレクト -12%
オーガニックSNS -21%
合計 -5.5%
全体は減っていますが、内訳を見ると減ったのはSNS(-21%)とダイレクト(-12%)に集中していて、オーガニック検索(+4%)と有料検索(+7%)はむしろ増えています。なお、ダイレクトには、ブックマークから戻ってくる常連のお客様の訪問のほか、目印(utm)の付いていないLINEやメールのリンクからの訪問も含まれます。

ここまで切り分けられれば、打ち手は具体的になります。「アクセスが減ったから全体を立て直す」ではなく、「SNSの投稿頻度や内容が落ちていないか」「LINE配信やメルマガの回数が減っていないか/常連のお客様の再訪が減っていないか」を確認する、という次の一手が見えます。検索は伸びているので、そこは今のやり方を続ければよい、と判断できます。

検索結果での見え方(Search Console)

入口の中でも、多くのサイトで訪問の大きな割合を占めるのが検索です。検索まわりは、GA4とは別に、Googleが無料で提供しているSearch Console(サーチコンソール)で詳しく見られます。見ておきたい指標は4つです。
表示回数
検索結果にあなたのページが表示された回数。露出の量。GA4の「表示回数」(ページが見られた回数)とは別のもの
クリック数
表示された中から、実際にクリックされて来た回数
CTR(クリック率)
表示回数に対するクリックの割合。検索結果に出るタイトルや説明文が、クリックしたくなる内容になっているかの目安になる
平均掲載順位
検索結果での平均的な順位。上位ほどクリックされやすい
GA4とSearch Consoleは何が違いますか?
GA4は「サイトに来てからの動き」を、Search Consoleは「検索結果でのサイトの見え方(来る前)」を見るためのものです。検索でどんな言葉で表示され、クリックされたかは、GA4ではなくSearch Consoleでしか分かりません。
CTRはどれくらいあればいいですか?
掲載順位によって基準が変わるため、一律の目標値はありません。上位に出ているのにクリックが少ないページは、タイトルや説明文を見直す余地があります。まずは自分のページの順位に見合ったクリック率になっているかを見ます。

表示が減ってもクリックは増えることがある

検索でも、基礎編と同じ「量と質は別」の話が起きます。下は同じネットショップの、表示回数とクリック数の推移です。
図:表示回数は減っているのに、クリック数は増えている
当月の表示回数は前月比 -8.7% と減りましたが、クリック数は +5.9% と増えています。その結果、CTR(クリック率)は 12.9% から 15.0% へ改善しました。

これは、悪い話とは限りません。合計の数字からは、減ったのは、もともとクリックされていなかった表示だと考えられます。検索した人が探している内容と合わない表示が減り、クリックにつながりやすい表示が残った、という見方です。Search Consoleで期間を比べ、検索された言葉ごとに表示回数とクリック数の増減を並べると確かめられます。ここでも、「表示回数が減った=検索経由の集客が落ちた」とは限りません。
補足
ただし、表示回数が何か月も減り続けているときは、話が変わります。Search Consoleで、どの検索語での表示が減ったのかを確かめてみてください。一時的な上下なのか、ある話題での表示がまとめてなくなっているのかによって、打つ手が変わってきます。
また、2025年9月ごろ、Google側の仕様変更で、多くのサイトの表示回数がまとめて減り、平均掲載順位が良く見えるようになりました。前年と比べるときは、この時期をまたいでいないかも見ておくと安心です。

指名検索と一般キーワード検索

検索された言葉は、大きく次の2種類に分けられます。
指名検索
店名/ブランド名での検索。すでに知っている人の来訪。クリック率は高い
一般キーワード検索
「収納 アイデア」など、店名を含まない検索。まだ知らない人との出会い
指名検索で来るのは「すでに知っている人」なので、それだけでは新規のお客様は増えません。新しいお客様との出会いを作るのは、店名を含まない一般キーワード検索です。

指名検索の増減からは、店の名前を知っている人やリピートのお客様の動きが、一般キーワード検索の増減からは、新しいお客様との出会いの増減が分かります。分けて見ることで、どちらに課題があるのかがはっきりします。
Search Consoleで、指名検索と一般キーワード検索を分けて見るには、どうすればいいですか?
Search Consoleの検索パフォーマンス画面で、上部の「+ フィルタを追加」からクエリ(検索キーワード)のフィルタを追加し、店名を「含む」に絞れば指名検索、「含まない」に絞れば一般キーワードになります。ひらがな/カタカナ/ローマ字といった店名の表記ゆれがある場合は、フィルタで「カスタム(正規表現)」を選んで「正規表現に一致」にし、「A|B|C」のように表記を「|」でつないでまとめて指定します。
サイト全体(ドメイン単位)で登録していて、検索の量が十分にあるサイトなら、2025年に加わった絞り込みも使えます。「クエリ」のフィルタで「ブランド」を選べば指名検索、「非ブランド」を選べば一般キーワードになります。表記ゆれや自社の商品名もAIがまとめて判定するので、正規表現を書く手間が省けます。この選択肢が表示されないサイトでは、最初の方法で分けます。

メルマガやSNS施策の成果を計測する方法

メルマガ/LINE配信/Instagramの投稿など、自分から送り出す施策の成果は、リンクに計測用の目印(utmパラメータ)を付けることで、施策ごとに追えるようになります。
注意
目印の付いていないリンクからの訪問は、「参照(他サイト)」や「ダイレクト」に紛れ込み、施策の成果として集計できません。とくにLINEのアプリの中から開かれた訪問は、経由元が取れずダイレクトに分類されることがよくあります。InstagramのようにSNSと自動で分類される場合でも、どの配信/どの投稿の成果かまでは分かりません。
具体的には、リンク先のURLの末尾に、次の3つの目印を書き足します。
パラメータ 値の決め方
utm_source
(配信元)
自由に決めてよい。
半角英数の分かりやすい値にする。
例: メルマガはnewsletter、LINE配信はline、Instagramはinstagram
utm_medium
(手段の種類)
email/social/cpcなど決まった値から選ぶ。
GA4がチャネルの自動分類に使うため、独自の値だと「未割り当て(Unassigned)」に分類されることがある。
例: メルマガはemail、LINE配信とInstagramはsocial
utm_campaign
(施策名)
自由に決めてよい。
施策名や日付など、あとで見て分かる値にする。
例: sale_202609
メルマガに載せるリンクなら、こうなります。
https://example.com/sale/?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=sale_202609
実際の設定は、次の4つの手順で進めます。
  1. 値の規則を決める
    3つのパラメータにどの値を使うかを、あらかじめ決めておきます。
  2. URLを作る
    Googleが無料で提供している「Campaign URL Builder」というWebページに、ページのURLと3つの項目を入力すると、上の形のURLが自動で出来上がります。
  3. 配信するリンクに使う
    出来上がったURLを、メルマガ本文のリンク、LINEのメッセージやリッチメニュー、Instagramのプロフィールやストーリーズのリンクなど、送り出す場所に貼ります。
  4. 計測できているか確かめる
    配信の前に、作ったURLを自分の端末で開き、GA4のリアルタイムレポートに訪問が出てくるかを確認します。配信後の集計は、GA4の「レポート > 集客 > トラフィック獲得」で確認できます。
補足
表記の揺れには気をつけたいところです。「newsletter」と「Newsletter」のように、大文字か小文字かが違うだけで、別々のものとして集計されてしまいます。もう1つ、utmは外から自分のサイトへ来るリンク専用です。サイト内のページ同士を行き来するリンクに付けると、計測が乱れる原因になります。
そもそも「パラメータ」とは何ですか?
URLの末尾に「?」に続けて書き足す追加情報のことです。「名前=値」の形で書き、複数付けるときは「&」でつなぎます。utmパラメータは、この仕組みを流入元を知るための目印として使ったものです。
utm系以外の、独自のパラメータを使わざるを得ないときは、どうすればいいですか?
GA4が流入元として読み取るのは、utm系のパラメータ(とGoogle 広告の自動タグ)だけです。独自のパラメータ(例: ?ref=spring2026)は流入元としては集計されませんが、URLの一部として記録は残るため、探索レポートなどで項目を「ランディング ページ + クエリ文字列」にすると、着地数を確認できます。本格的に集計したい場合は、カスタムディメンションという仕組みを使います。
カスタムディメンションとは何ですか?
標準のレポートには無い、自社独自の切り口(会員ランク/ページの種類など)で分析できるようにするGA4の仕組みです。サイト側から値を送る実装と、GA4の管理画面での登録の両方が必要になるため、導入する場合は制作会社や技術の担当者に相談するのが近道です。

AI経由の流入

これから増えていきそうな入口として、ChatGPTやGeminiなどの生成AIの回答を経由した訪問があります。GA4の「レポート > 集客 > トラフィック獲得」で「AI アシスタント」の行を見ると、AIから来た訪問の数と、購入までつながったかが分かります。この例では全体の5%(1,200セッション)で、前月比は+5%でした。

AIの回答に自社のサイトが載るための考え方は、AIO(AIに引用されるための対策)で紹介しています。

まとめ

集客編の要点を整理します。
  • 「なぜ減った」は、全体ではなく、チャネル別の内訳で切り分けます。
  • 検索は、表示回数/クリック/CTR/掲載順位の4つで見ます。
  • 表示が減っても、クリックが増えることがあります。量と質は分けて見ます。
  • 新しいお客様の入口は、一般キーワード検索です。指名検索と分けて、課題を探します。
  • メルマガやLINE配信、SNSの投稿のリンクには、計測の目印(utm)を付けて、成果を正しく集計します。
次のEC編では、集めたお客様が「なぜ買わずに帰るのか」を、購入ファネルという考え方で読み解きます。集客の次は、来た人を逃さない番です。
次の記事:売上が伸びない理由は「購入ファネル」でわかる(EC編)
チャネルの切り分けも検索結果での見え方の読み解きも、慣れれば自分でできます。ただ、毎月の変化を追い、施策の効果まで結びつけて判断するには時間もかかります。その毎月の追いかけと判断ごと、外部に預けてしまうという選択肢もあります。実際に何をどこまで任せられるのかは、WEB活用コンサル「IMG★EXP」の紹介記事で具体的に紹介しています。
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