記事一覧
その数字、本当に正しい?アクセス解析でよくある計測タグの落とし穴
その数字、本当に正しい?アクセス解析でよくある計測タグの落とし穴
アクセス解析の数字を読む前に、確かめておきたいことがあります。その数字が、正しく計測されているかです。計測がずれていると、丁寧に分析しても、結論を間違えてしまいます。
確かめる方法でいちばん確実なのは、GA4の数字を、実際の注文数や売上と照らし合わせることです。
この記事は、アクセス解析の連載の計測の信頼性編です。基礎編から行動観察編までの、すべての前提になる話です。よくある計測のずれを4つ取り上げ、どう気づき、どう防ぐかを、前回までと同じネットショップの例で紹介します。
確かめる方法でいちばん確実なのは、GA4の数字を、実際の注文数や売上と照らし合わせることです。
この記事は、アクセス解析の連載の計測の信頼性編です。基礎編から行動観察編までの、すべての前提になる話です。よくある計測のずれを4つ取り上げ、どう気づき、どう防ぐかを、前回までと同じネットショップの例で紹介します。
目次
なぜ「計測が正しいか」が最優先なのか
アクセス解析は、サイトに埋め込んだ「タグ」と呼ばれる小さなプログラムが、訪問や購入などの出来事を記録することで成り立っています。このタグの設置が正しくないと、記録される数字そのものが実態とずれます。
やっかいなのは、ずれた数字も、それらしい見た目で表示されてしまうことです。グラフはきれいに描かれ、前月比も出ます。そこで、分析を始める前に、GA4の数字を実際の注文数や売上と照らし合わせて、「この数字は信じてよいか」を確かめておくと安心です。このあと、どのサイトでも起きやすい計測のずれを、4つ紹介します。
やっかいなのは、ずれた数字も、それらしい見た目で表示されてしまうことです。グラフはきれいに描かれ、前月比も出ます。そこで、分析を始める前に、GA4の数字を実際の注文数や売上と照らし合わせて、「この数字は信じてよいか」を確かめておくと安心です。このあと、どのサイトでも起きやすい計測のずれを、4つ紹介します。
補足
タグの実体は、JavaScript(ジャバスクリプト)というブラウザ上で動く小さなプログラムです。そのため、正しく設置していても必ず動くとは限りません。広告ブロッカーやブラウザのトラッキング防止機能で止められたり、読み込みが終わる前にページを閉じられたりすると、タグは発火せず(=動かず)、その訪問は数字に残りません。アクセス解析の数字が実際の訪問や売上よりいくらか少なめに出るのはこのためで、多少の取りこぼしは異常ではありません。そのため、照らし合わせるときは、数字がぴったり合うかではなく、いつもと同じくらいの差に収まっているかを見ます。
落とし穴1:二重計測で、数字が実際より多く出る
同じタグが2か所に入っていると、1つの出来事が2回数えられます。よくあるのは、GA4のタグを、サイトのHTMLとGoogleタグマネージャーの両方に入れてしまう場合です。ページの閲覧や購入が2回ずつ記録され、1件の購入が2件に見えます。
落とし穴2:タグの入れ忘れで0件に見える
二重計測とは逆に、特定のページにだけタグが入っていないと、実際には操作があっても0件として記録されます。EC編で見た「数百回も見られているのにカート追加0件」の商品にも、この疑いがあります。ネットショップの管理画面で、その商品に実際の注文が入っていれば、タグの入れ忘れだと分かります。「0件だから人気がない」と判断して商品を下げる前に、確かめておきたいところです。
落とし穴3:同じ操作が何度も記録される
1回の訪問で、同じイベントが何度も記録されることもあります。多重発火と呼ばれるずれです。よくあるのは、購入手続きの画面が入力エラーで表示し直されるたびに、タグが動いてしまう場合です。本来「1回の手続きで1回」のはずの記録が何度も残り、購入までのどの段階が本当に弱いのかが分からなくなります。
補足
多重発火かどうかは、このあとの対策2で紹介する Tag Assistant(タグマネージャーでは「プレビュー」)で、1回の操作で同じイベントが何回送られているかを見ると確かめられます。なお、購入までの段階で前の段階より数が増えるのは、計測のずれとは限りません(EC編の補足で紹介しています)。
落とし穴4:流入元が正しく分かれない
集客編でも触れたとおり、メルマガやLINE配信のリンクに計測用の目印(utmパラメータ)を付けていないと、そこから来た訪問が「参照」や「ダイレクト」に紛れ込みます。「メールの効果が分からない」というときは、施策ではなく、計測の目印が抜けていることがよくあります。自分から送り出すリンクには、あらかじめ目印を付けておくと、あとから成果を正しく振り返れます。
補足
4つの落とし穴のほかに、自分や社内からのアクセスが数字に混ざることもあります。動作確認や更新のたびに自社サイトを開くと、そのたびに1訪問と数えられます。アクセスの少ないサイトほど影響が大きいので、GA4の内部トラフィックを除外する設定を、早めにしておくと安心です。設定は、自社のIPアドレスを「内部トラフィック」として登録し、「データフィルタ」の状態を「テスト」から「有効」に切り替えるところまでです。有効にすると、除外した分のデータはあとから戻せません。
ずれに気づく手がかりと対策
計測のずれには、次のような手がかりで気づけます。ひとつでも当てはまったら、分析より先に、計測を点検しておくと安心です。
- GA4の購入件数や売上が、実際の注文数や売上と大きく違う
- 前月比が不自然に大きく動いた(急な半減/倍増)
- 直帰率が急に数%まで下がった(二重計測で、どの訪問も「2ページ以上見た」ことになっている)
- よく見られているのに、カート追加などの記録が0件のページがある
- 1回の訪問で、同じイベントが何度も記録されている
- どこから来たかの内訳が、実感と大きく違う(メールを配信したのに、メールからの訪問がほとんど無い、など)
対策の基本は、次の4つです。とくに大事なのは1つ目です。
-
実際の数字と照らし合わせる毎月、GA4の購入件数や売上を、ネットショップの管理画面にある注文数や売上と比べます。問い合わせなら、実際に届いた件数と比べます。GA4は少し少なめに出るのがふつうです。たとえばこのショップの当月は、GA4の購入が262件でした。管理画面の注文が290件なら、GA4がやや少なめに出ているふつうの状態です。もし管理画面が130件ほどなら、GA4が約2倍に数えているので、二重計測を疑います。毎月の差を記録しておき、いつもの差から大きく外れた月に、計測を点検します。
-
自分で試して、記録されるかを見るGoogleの「Tag Assistant」(Googleタグマネージャーでは「プレビュー」)でサイトを開き、自分で試しに購入や問い合わせをして、1回の操作でタグが1回だけ動くかを確かめます。GA4の内部トラフィックの除外を有効にしていると、自分の操作はリアルタイムのレポートには出てこないので、こちらで確かめます。
-
サイトを直したら、タグを点検するデザインの変更などでサイトを直したあとは、主要なページのタグが動いているか、重複していないかを確かめます。
-
計測の決めごとを書き残す「何を/どのタグで/どう計測するか」を簡単な一覧にしておくと、担当が変わっても計測がぶれにくくなります。
まとめ
計測の信頼性編の要点を整理します。
- いちばん大事なのは、GA4の数字を、実際の注文数や売上と照らし合わせることです。
- 二重計測は数字を実際より多く見せ、タグの入れ忘れは0件に見せます。
- 1回の訪問で同じイベントが何度も記録されていたら、多重発火が疑えます。
- メルマガやLINE配信のリンクには、計測の目印(utm)を付けておきます。
- サイトを直したら、タグも点検します。
この連載を通してお伝えしてきたのは、「正しい数字を、正しく読めば、次の一手が見えてくる」ということです。最初の一歩は、基礎編の5つの指標を月に1回確認し、そのときに実際の注文数や売上とも照らし合わせることです。
計測の点検は地味な作業ですが、ここがずれていると、その先の分析もずれてしまいます。「自社の計測が正しく取れているか不安」「タグの棚卸しから見てほしい」という段階のご相談でも大丈夫です。計測の確認から改善の提案までをまとめて任せられるWEB活用コンサル「IMG★EXP」もあるので、手が回らないときは選択肢の一つに加えてみてください。
この記事は参考になりましたか?
ご回答ありがとうございました